目標は「地域の持続化と発展」-地域防災アプリケーションの展開と米作り 二足の草鞋を履きこなす-
「情報整備局」 和田晃司(わだこうじ)さん

はじめに「情報整備局」とお伺いして、「ん?国の出先機関?」と思いました。それで、事前に色々調べてみると、代表の和田さんはもともと、米農家らしい。しかも地元の元消防団員。それで地域防災アプリケーションを開発と米農家?和田さんの取組に対するイメージが掴めないままに、面談の日を迎えました。

講演する和田さん
Q:和田さんのプロフィールを教えてください。

旧長沼町(現在の須賀川市長沼地区)生まれ。38歳。東京の大学を出て、農業共済の仕事を8年やっていました。2015年から実家に戻って米農家として後を継ぎ、同じころに「情報整備局」も立ち上げました。

消防団員時代の和田さん
Q:「情報整備局」と地域防災アプリケーションに関してもう少し詳しく教えてください。

私は、元々消防団員でした。以前、須賀川市の中心部に住んでいた時に、実家のある長沼町で身内の火事があったんです。でもそれがわからなくて、結局、自分は消火に行けなかったんです。それが一つ大きなアプリ開発のキッカケですね。消防団員って、普段は同じところにいる訳ではなく、バラバラに自分の仕事や用務をしています。その広く散らばっている消防団員に、どうやって緊急時の情報を効果的に伝えることができるか。そしてバラバラの消防団員の現在情報を一早く収集してリアルタイムに共有できるかと考えた時、そんなシステムって今までありませんでした。
これをどこの自治体でも大きな負担なく導入できるシステムが、地域防災アプリケーションです。
2018年に須賀川市に導入して頂きました。翌年には古殿町に導入され、現在では県内で10件以上の自治体に導入されています。来年度も相当数の導入が予定されています。
全国展開も視野に入れており、東京、福岡、宮城の代理店3社と提携しています。

Q:失礼ですが個人事業者ですよね?個人事業で行政に売り込むのは相当ハードルが高くないですか?

信用も実績も何もないところから始めた事業でしたので、開発の段階から逐一行政の担当部署に報告して見ていただきました。実際にモノを見て触ってもらって、進化を確認してもらっていたのが良かったと思います。
それと、米農家をやっていたことでトップへのセールスが出来たことですかね。その頃、新規の就農者達との懇親会があって、そこに市長が出席していたので、ここぞと思って売り込むことができ、チャンスはいつどこにあるか分からないと感じました。

開発した防災対策アプリ
Q:開発したアプリはどういったものですか?

S.A.F.E.(セーフ)は、消防団のための防災アシストアプリです。火災の通知だけではなく、グーグルマップ上に出火場所が表示され、周辺の水利情報を知ることができたり、団員の出動状況をリアルタイムで把握できたりします。このアプリを活用することで、地域に根ざした防災活動の要である「消防団」の活動がより迅速に、より万全になります。

普段は米農家として米作り
Q:将来の夢を教えてください。

農業アプリを開発したいです。今も色々と開発をし、試行錯誤しています。福島県産のお米のPRをしたいと思い、県内59市町村のお米を宇宙に打ち上げる「ふくすびプロジェクト」を立ち上げました。現在35名の農家が参画しており、さらに24名の農家を募集しています。何もないところから始めても、想いを持って行動していくことで大きなことが成し遂げられると思っています。それを地域に見せたいし、伝えたいです。

情報整備局

住所:福島県須賀川市木之崎字向原27-39
問い合わせ:050-5587-7475

情報整備局代表の和田晃司さん

取材者の声

  • 和田さんは、IT企業の経営者というより先に、奥様と3人の娘さんを愛する堅実な農業経営をする若いお父さん。そんなイメージでした。
    穏やかな笑顔と語り口の中にも、高い目標を持ち、自分の強い意思でその実現に向かって邁進しておられる和田さんが、地域に対してどんなアクションを起こしてくれるか、これからが益々楽しみになってきました。

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