「からだによくて おいしくて」
Blooming Cafe 白岩麗奈さん

Blooming Cafeのおしゃれな外観

数多くの起業者とお会いしていると、起業したい業種で、その方の大体の性格や目指すライフスタイルが見えてきたりします。
大都会にあってもおかしくないお洒落なカフェが、白河市にあると伺いました。しかもオーナーは若い女性であると。一体、どんな方なんだろうと、人物像を考えながらお会いした白岩さんは、カフェという領域を超えた志をお持ちの方でした。

Q:最初に白岩さんのこれまでを教えてください。

白河市には生まれてから小学校4年生まで暮らしていました。その後、家族で関東に引っ越し、大学は幼少から憧れていた北米に留学しました。帰国してからは東京で勤めていましたが結婚を期に主人の出身でもある福島に。6年前、ご縁があり主人が開業することになったためここ白河に戻ってきました。

Q:どうしてこのようなお店をやろうと思ったのでしょうか?

昔から食べることが大好きで、趣味はお菓子作りや料理でした。引っ越し先や留学中に暮らした町で食べ歩いた経験から、地元白河にもこういうお店があったら良いなという想いはずっとありました。ただ、飲食店に勤めた経験はなかったので自分がお店を開くことになるとは思っていませんでした。その思いから一転、飲食店開業を決心したのは、以下の構想を実現させたいという想いが勝ったことがきっかけです。構想としては以下の点を考えていました。

・新しい事業の差別化として、美味しくて健康的な食事を患者さんやその家族に提供したい
・「医食同源」(日常的にバランスをとれた食事を摂ることが病気の予防に役立つという考え方)を広めるメニュー作り
・医療を受ける方だけでなく、一般の方も店内で食べたり、テイクアウトしたりと気軽に訪れてもらえる、インテリアにもこだわった店
・地産地消を心がけ、白河の美味しさを広く知ってもらえるようなメニューや加工品の販売
・飲食店利用の方だけでなく、ワークショップなどにも幅広い用途で使ってもらえる自由度の高いレイアウトの店

ただ、未経験だったので周囲の心配や反対も多かったのです。母が料理学校を卒業し、自宅で料理教室をしていた経験もあったので、母が調理への参画を決意してくれたことと、長年飲食店で調理補助やホールの担当をしていた義理の姉が主人を説得してくれ、先ずやってみよう!ということになりました。

ショーケースに並ぶ野菜を豊富に使ったお惣菜
Q:失礼ですが、メニューをみるとカフェというよりはレストランで、いわゆるカフェメニューは少ないような・・・

そうなんです(笑)営業時間も短く、ほぼランチライムのみの売り上げなので、カフェというよりはレストランですね。「カフェ」という名前をつけたのは、響きの良さと、自分が飲食店未経験という負い目からのちょっとした逃げだったのかもしれないです。

こだわっているのは、モットーとして挙げている「からだによくて おいしくて」。彩り鮮やかで、思わず写真に撮りたくなってしまうような見た目でありがなら、“医食同源”に基づき栄養バランスに優れ、味も整った美味しいメニューを提供することです。

お店の「売り」はショーケースに並ぶ10種類以上の野菜を豊富に使ったお惣菜。目で見て、好きなものを選び、盛り合わせて自分だけのランチプレートが作れます。来てくださる9割以上のお客様が女性です。女性の、「少しずついろいろな味を食べてみたい」という気持ちを満たせているのかなと思います。今では新たなシェフや接客の経験の長いスタッフが加わってくれて仕事も効率化、分担できるようになりました。皆でアイディアを出し合い、女性の気持ちを考えた新メニューの考案やより良いお店作りについて日々話し合っています。

また、減塩やカロリーコントロール、制限のある方でも美味しく食べていただけるメニューの開発も続けています。

からだによくておいしいランチプレート
Q:営業日が週3日と少ないようですが経営的にはどうでしょうか?

オープン半年の徐々にペースがつかめてきた頃に新型コロナウイルスの流行が始まりました。どうしたら店を継続していけるのかとても悩みましたが、営業日を減らし、テイクアウトのメニューを工夫することでなんとか凌いでいます。スタッフのことを考えると営業日を減らすことは抵抗があったのですが、幸い皆子育て中なので、家庭とのバランスを考えると今の日数で良いと言ってくれるので有り難いです。

「カフェなのに週末は営業しないのですか?」と聞かれることがあります。
カフェで仕事を続けてきて思うことは、女性にとって家庭と仕事、好きなこと、やりたいことのバランスはとても大切だと言うこと。スタッフには家族を一番に考えてもらいたい。そして職場では一時母親や妻といった立場から離れて自分自身を取り戻し、夕方また笑顔で家族の元に帰ってもらいたいと思っています。今は私も含め小さな子供のいるスタッフが大半ですから、週末や夜の家族との時間は一番大切にして欲しいです。

営業日の少なさから売上の悩みはありますが、今は大きな利益を考えるのはなくて、お客様に喜んでいただけて、スタッフも気持ちよく仕事ができ、それに伴うお金がなんとか循環できれば良いのかなと・・・。このお店がお客様のリラックスやリフレッシュの場になり、健康を考えるきっかけとなり、また私も含めスタッフが自分らしくいられる場所、家族への笑顔を作る原動力の場になれたら本望です。

有効活用できるスペース
Q:これからやってみたいことはありますか?

はい、カフェの営業のない曜日や時間帯を有効に活用し、習い事やワークショップ、セミナーなどができればと思っています。グランドピアノもありますので演奏会などとしても使っていただけるスペースがあります。「今の人生を少しだけ豊かにすることを、ここで一緒にやりませんか?」というのがテーマです。家庭と仕事の両立を模索する女性が、好きなこと得意なこと、やりたいことを試してみる場所として利用してもらいたいですね。このカフェが、周囲の人達が自分を表現するステージのようになって、皆さんの夢に少し近づける場所となったら嬉しいです。

他には、健康についてのお話し会、また、白河の美味しい野菜や果物、加工品を内外に紹介し白河の魅力を伝えていけたらと思います。

Q:これから起業したいという人に何か一言頂けますか?

やらないで後悔するより、ぜひ一歩踏み出してみて。家庭を照らすのは女性の笑顔!自分らしく、笑顔でいられる道を探すことを諦めないで欲しいです。

Blooming Cafe

住所:福島県白河市北真舟25-2パークシティ104ビル1F
問い合わせ:0248-21-7345
営業時間:11:00~16:00
営業日:火・水・木曜日

Blooming Cafe

支援者の横顔

  • 支援機関:一般社団法人産業サポート白河
  • 管理施設:白河市産業プラザ産業支援センター
  • 支援可能な地域: 県南地域
  • 県南地域の産業支援機関として、主に管内のものづくり企業や事業主への支援活動を行なっています。起業者へは、伴走支援を基本とし、地域内で起業を目指している方、起業間もない方などへの様々な支援活動を行なっています。県南地域は、首都圏からのアクセスも良く、気候も比較的穏やかで過ごしやすい地域です。起業に興味があるけど、前に一歩踏み出せずにいる方、ぜひ相談に訪れて下さい。
  • 参考:一般社団法人産業サポート白河 http://sangyo-support.jp/
一般社団法人産業サポート白河

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