「移住して起業 その1つの成功事例」
「やまあみ鞄製作所」
片岡美菜さん

西会津町の雲海

神奈川県大和市に生まれ育ち、東京のデザイン専門学校を出た片岡さん。
「関東地方以外に住むことになるとは・・・」とおっしゃる移住先は西会津町。新潟県との県境にある福島県でも山深い地域です。
「最初はここに移住することにあまり積極的では無かったんですよね。でも、町の雰囲気、人の雰囲気、山の自然に惹かれて決めました。」そう聞くと、勢いで移住と起業を決めたようにも感じられます。
ところが、詳しくお話をお聞きすると、「学生時代からの自分の夢を実現する」にはどうすれば可能か?という起業者にも移住者にもとても役立つ貴重なお話をお聞きできました。

Q:最初に片岡さんのプロフィールや今まで生きてきた足跡などを教えて頂けませんか?

平成元年生まれです。デザインの専門学校を出て、就職したのが人材教育のコンサルティング会社。そこでグラフィックデザイナーをやってました。経営者向けのセミナーが多かったので、考えたらそこから起業の勉強をしていたのかもしれません。特に考え方とかマインドとかは今とても役立っているように思います。
元々高校生の頃から鞄が好きで、革という素材も大好きだったんですが、鞄職人っていう仕事で食べていくイメージが持てなかったんですよね。
ところが日々働いているうちに、「自分のやりたいことで生きていきたい」という想いが日に日に募ってくるわけです。
当時、今で言う「サスティナビリティ(持続可能性)」に興味があって、パーマカルチャー※的な生き方、生活モデルを実践したいという想いがもう片方にあって、それらが融合して「地方で鞄職人をしながらそういう生き方をしていく」という仕事と生活が一体化したようなモデルに行き着いたんです。
※永続性・農業・文化を組み合わせた造語

オリジナルの開発商品
Q:「目標が見つかった」ということですね?そこからどうやって行動に移ったのですか?

それなりに鞄づくりの教室なんかには通っていたのですが、そうは言っても、イキナリそれで食べられるわけはないので、鞄工場に転職しました。
これは本当にラッキーだったのですが、その時に偶然鞄職人(候補)を募集していたんです。そこで6年半、みっちり勉強しました。
鞄の仕事って、かなり細分化できてしまうんです。なので、普通に勤めているだけだと、工程の1つにはとても熟練できてくるんですが、じゃあ革から鞄が作れるか?というとそうはならないんです。
そこで、社長に頼み込んで休みの日に会社に出社させてもらい、自分で1つの鞄を作ることをさせてもらったんです。そこから社内でサンプル室という鞄の企画を起こすところからサンプル品を作っていくまでを行う部署に移って、鞄を最初から最後まで作ることを学ぶことができました。
そしてご縁があって昨年8月に西会津町に移住して、起業型の地域おこし協力隊としてお給料を頂きながら起業したという流れになります。

会津の壮大な自然や文化を生かして
Q:福島県に限らず移住の誘いは日本中にあると思います。また福島県でもなぜに西会津町なのかに興味があります。

確かにそうですね。私も神奈川生まれで東京の専門学校ですから、関東圏から出るとは思ってもみなかったです(笑)。
まずはこの町そのものの魅力。町の人の魅力。遠慮がちなんだけど親切みたいな。それに、山の自然が好きなんで、ここに居るだけで癒されます。
それと移住してきている人達のポジティブな感覚が良かったです。私も移住自体に興味があったのでアチコチ試しに行ってみたりしたんですが、「働きたくないから田舎に移住しよう」なんて感じの消極的な移住者が多いんです。ここは「やりたいことを持っている」人達が多くてそこに惹かれました。
また「イキナリ移住」という感じじゃなかったのも良かったです。最初は月に数回通って、地域に慣れたり、ここで仕事をすることに不便を感じないか等を確認したりできたのが良かったです。そういうシステムが地域に整っていたのが要因かもです。

Q:今はどういうところから仕事を受けていますか?

昨年まで所属した会社から外注先ということで仕事を頂いています。他にも様々な発注先から仕事を頂いています。
これをベースにして、今後は地域から仕事を獲得したり、地域の中の素材を活用した商品開発を行っていく予定です。
鞄というのは日用品で普段使いにできるものですし、形があって分かりやすいものなので、地域でも「鞄を作ってる人」と受け入れてもらいやすいと感じています。

やまあみ鞄製作所工房内
Q:これから起業しようという人に対して、何かアドバイスをお願いします

本当に自分がやりたいことを見つけることだと思います。妥協していると心から頑張れないのではないかと思います。
それを書き出していくこと。そのままだと流れてしまいます。
そして目に見えるように「視覚化」すること。その上で周囲に「言語化」して伝えていくことだと思います。そうすれば必ず協力者が現れると思います。

やまあみ鞄製作所

現在店舗営業はしておりません。
月一回程度ワークショップを開催しております。
随時ホームページまたはInstagramにて告知させていただきますのでそちらからご確認ください。
住所:福島県耶麻郡西会津町野沢字本町甲1229
問い合わせ・ホームページ:https://www.yamaami.com/の問い合わせフォームからお願いします

片岡美菜さん

支援者の顔

  • 氏名:長島翔平 (ながしましょうへい)
  • 所属等:西会津町商工観光課
  • 支援可能な地域:西会津町内
  • 実績等:都内自治体で長年勤務し、令和2年度に西会津町役場に入庁したUターン公務員です。創業支援、地域おこし協力隊支援事業に携わり2年目になります。西会津町は人口に比例し移住者や起業家が多く、ローカルビジネスに挑戦する気風が醸成されつつあります。空家を利活用した事業に対しての補助金等、整備しています。地域に貢献したい熱い気持ちと明確な事業目的をお持ちの方は、是非西会津町を挑戦の舞台にしてみてはいかがでしょうか!
  • 参考:福島県西会津町 https://www.town.nishiaizu.fukushima.jp/

行いたいこと(目標)が見つかる起業希望者は数多くいます。ところがその目標までの道筋(計画)が漠然としている起業希望者が多いのです。漠然としたまま目標に向かって進むうちに、道に迷ったり、落とし穴に落ちたり、そもそも目標を見失ってしまう起業希望者を数多く見てきました。片岡さんはそこをキチッと詰めてスタートしたことで、ブレることなくご自身の目標に手が届こうとしています。