奥会津・昭和村に移住し、デジタルマーケティングを行う「株式会社SATORU」を経営する橋本浩寿さん。
県内有数の過疎地域にいながら、都内の大手起業をクライアントに持ち、これからの時代の“場所にとらわれない働き方”を実践しています。
そんな橋本さんに事業内容と、移住と起業のどちらも成功させるコツについて伺いました。

Q：事業内容について教えて下さい。

デジタルマーケティングと言って、企業が発表する新商品などをデジタルを使ってどのように売り出していくか、企画を立てて提案したりプランニングしたりしています。
マーケティングの中でもプロモーションを得意としていて、過去には有名アーティストのアルバムや大ヒット映画の宣伝にも携わりました。
もともと大学卒業後にIT ベンチャーに勤めており、そこで学んだスキルを基に独立した形です。
設立メンバーは3人とも大学時代に友人たち。学生時代から「いつかは田舎で好きなことをして暮らしたい」と共通の夢を持っていました。
2016年に創業して、今年で5年目。
2017年に祖父の遺した家のある昭和村に移住しました。

Q：もうひとつ、「SHARE BASEプロジェクト」という事業も行っていらっしゃいますね。

デジタルマーケティングとは別の軸で、何か地域を盛り上げる仕事がしたいと思い立ち上げた事業です。
代表的なところでは「SHARE BASE昭和村」という民泊施設の運営。メンバーが住み込みでDIYしながらリノベーションした築300年以上の古民家を宿泊施設として貸し出しています。
また、「SHARE BASEマッチング」は地域のモノやコトと利用者をつなげるマッチングプラットフォーム。
移住して経験したことをふまえ、地方のモノ・コト・ヒトを通して、より手軽に地域の魅力発信方法を提案したいという思いで展開しています。
デジタルマーケティングで培ったノウハウが活かせる事業だと実感しています。

Q：メインの仕事のほかにやりたいことも形にするスタイルは、理想的にも思えます。

東京で働いていた時に、「このままここで働いていればお金はもらえるけれども、疲れるだけだな」と思ったんです。
それならば田舎で仕事をしながら好きなことをしようと、人生の時間の使い方を考え始めたのが起業のきっかけです。
今は、学生時代から夢見ていた環境がようやく叶ったところ。今後は「SHARE BASEプロジェクト」の方でもきちんとマネタイズができるよう力を注いでいきます。