Restaurant & cafe KURA.
笠間拓朗さん

戦略的なPRで長く通ってくれるファンを作る

宿場町として栄えた西会津町野沢地区にある「Restaurant & cafe KURA.」は、築100年を超える古民家をリノベーションしたイタリアンレストラン。
2016年の開店以来、地元の人々はもとより町外からもお客さんが訪れる人気店となっています。
料理人の父とともに店を営む笠間拓朗さんに、起業のきっかけと山間の町で飲食店を続けるコツを伺いました。

Q:起業のきっかけを教えてください。

西会津町にUターンしたときに、何か町のために役立つことがしたかったんです。
町内に新しいスポットができれば、西会津町を知らなかった人が訪れたるきっかけにもなるかなと考え、もともと料理人で自分のお店を持ちたいという夢を持っていた父と、共同で飲食店をオープンすることになりました。
それまで町内にある飲食店といえばラーメン店や定食屋がほとんど。
洋食が食べられる店がなかったことも理由のひとつです。
女性がくつろげる店が作りたいという思いもありました。

Q:お店を経営する上で心がけていることはありますか?

落ち着いた空間を整え、お客様がほっとするような丁寧なサービスをすることです。
「お客様に笑顔で帰ってもらうには?」を第一に考え、気持ちよく食事の時間を過ごしていただけるよう、接客には特に気を配っています。
「おしゃれなお店」「西会津じゃないみたい」などとお店の雰囲気を喜んでくれたり、料理を見て感激している様子やお連れ様と笑顔で会話をしているのを見ると、とても幸せな気持ちになります。

Q:経営で苦労されたことはありますか?

オープンから2ヶ月ほどは忙しくしていたのですが、その後パッタリと客足が遠のいてしまったんです。
それまで宣伝らしい宣伝をしていなかったこともあり、チラシを作ってPRを始めました。
意識したのは、一気に広域に撒くのではなく、地域を絞って効率良く撒いていくこと。
今回は隣町だけなど限定することで広告費も抑えられ、どこに撒いたらどれくらい人が来てくれるかの検証にも役立ちました。
またスタンプカードを作って、割引やピザの無料券などのインセンティブを付けたのも大きかったようですね。
10回来てくれた方にはVIPカードを配布し誕生月に無料クーポンを配るなど、なるべく離脱させない工夫もしています。
その甲斐があってか、4、5年目には通ってくださるお客様も増え、コロナ禍でも足を運んでいただいています。

Q:起業したい方に向けたアドバイスを聞かせてださい。

飲食店の方の中には味が良ければお客様が来ると考える方もいるかもしれませんが、実際にはお客様は雰囲気や接客サービスなど総合的に判断しています。
味はもちろん、サービスの質にも力を入れないといけません。
また、待っているだけではなく、どうPRしていくかも大切。特に私たちのような過疎地域では町内だけに頼るのは厳しいため、外からの集客もバランス良く考えていく必要があります。
どこまでが商圏か見極めて、緻密なPR戦略を立てるのが、続けていくためのコツではないでしょうか。

Q:今後チャレンジしてみたいことはありますか?

地元の食材を取り入れて、西会津町をもっと打ち出していくメニューが作れたらと思います。
またコロナ禍で始めたテイクアウト専門の丼店も、定着させていきたいですね。
あとは、店舗の中の使っていないスペースを改修し、チャレンジショップとして開放できないか模索中です。
1日だけ、昼間だけなど期間を決め、カフェなどの出店を目指す方に簡易的にお店を開いてもらう仕組みです。
野沢宿に賑わいを取り戻すためにも、人と人がつながれる場を提供し、協力しながら地域を盛り上げていきたいと思います。

Restaurant & cafe KURA.
  • 住所: 福島県耶麻郡西会津町野沢字原町乙2211-1
  • TEL: 0241-45-2204

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