着物リメイクMANA
末廣景子けいこさん

1人ビジネスで成功するための実例
「着物リメイクMANA」

今回は白河市のマイタウン白河の1階にあるチャレンジショップで2019年2月から事業をスタートされた末廣景子さんです。
「おうちに眠っている着物を洋服にリメイクする」というビジネスモデル。お話をお聞きすると「小さなビジネスを成功させる秘訣」がたくさん詰まっていそうです。
末廣さんと、末廣さんをスタート時から支援されてきた一般社団法人産業サポート白河の菊地裕也さんを交えてお話をお聞きしました。


Q:そもそも、このようなビジネスモデルをどうやって考えついたのでしょうか?

私が着物に関心を持ったのは、祖母と母が着物好きだった影響が大きいですね。「大人になったら自分が着たいな」という思いが出発点だったと思います。
でも祖母が亡くなってたくさんの着物が残されても、そのままでは着られませんでした。実際に着てみると体形が合わないこともあります。また管理も大変でいまは桐タンスがある家も少ないし、若い方は着物をもらっても着られないし、収納する場所もありません。着物が誰かにあげても喜ばれない物になってしまった・・・という経験が「洋服へのリメイクがビジネスになるのでは?」と考え始めたキッカケだったと思います。
私は昔から「職人になりたい」という思いが強く、それをモチベーションに「洋裁を一生の仕事」と決めて取り組んできました。私にとって着物リメイクとは、ビジネスというより「自己実現なのかな」と思うところもあります。

Q:そう言っては失礼ですが、割とサラッと始めちゃったんですね(笑)?

そうですね。「着物がある。とりあえずやりたいからやってみよう」と。
そもそもビジネスというものをよく知らないので、考えても仕方がないだろうと。それよりも「実際始めてみて、そこで経験して学んでいこう」という考えの方が強かったと思います。
ただ本当に何も考えていなかった訳ではありません。最低限「材料つまり着物はたくさんある」「掛かるコストは自分の手間だけ」というポイントだけは押さえたつもりです。仮に仕入れからしなければならない状況だとなると、最初の仕入れのミスで開店してもすぐに閉店という可能性もあったかと思います。

Q:リスクは最小限に抑えたうえで、まずやってみるということですね。でも、そのやり方だと失敗もあったのでは?

はい。でも、そのために菊地さんがいらっしゃるわけで(笑)。
夜中の23時30分にクレームが来たことがあり、そのときは翌朝8時30分には相談していました。私は1人で活動しているので有効な情報をうまく入手できないこともあります。しかし、使えそうな情報は菊地さんが整理してくださっているので、細かく教えていただけています。今回の新型コロナ危機も「難しいかな」と思っていた給付金の手続きやチャレンジする場の提供などサポートしていただきました。私自身、菊地さんをとても頼りにしています。

Q:末廣さんはすべて1人で事業を展開されていますが、1人ビジネスを軌道に乗せるコツのようなものがあれば教えてください。

私の場合はすべて1人でこなさなければならないので、営業をしているとリメイクの作業ができなくなってしまうんです。どうしても時間が限られてしまうので「1人ビジネスで成功するためには、提供するサービスや商品そのものが最大の営業活動になるように設計すること」だと思います。
事実、弊社はリピーターが非常に多く、そのリピーターとなったお客様が別のお客様を紹介していただけるケースが多々あります。商品やサービスが次のお客様を連れてきてくれるようにしていかないと、事業継続が厳しくなるのではないでしょうか。
また「お客様がどこにいるのかを見極め、そこへ届くように情報を発信すること」が大切だと思います。白河市では市の広報誌に広告を載せることができるのですが、こういった広報誌は高齢者ほど隅から隅まで丹念に読まれているようです。この高齢者こそが弊社の貴重なターゲットです。私の場合、ここに広告を出してから、問い合わせが増えました。

Q:これから起業しようという方に対して、何かアドバイスをお願いします。

思い悩むより即行動!ですね。

Q:最後に今後の抱負や計画など教えてください。

手近なところでは、2020年10月にオフィスの隣で個展を開く予定です。お客様には、自分で「こういう風にリメイクしてほしい」と伝えられない方がたくさんいらっしゃいます。そこで、求めている欲しい物の具体的なイメージが伝わるような作品をいろいろお見せしたいと考えています。
最終的にはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出ることが目標です!先に民放の「情熱大陸」ですかね(笑)。
実は、このままいつまでも1人ビジネスにしておくつもりもないんです。実際、現在も着物を解く作業を頼んでいる方がいます。もう少し売上が見込めるようになれば、着物のレンタルや販売にも手をつけていきたいですね。

支援者の顔

  • 氏名:菊地裕也(きくちゆうや)
    (JBIA認定インキュベーションマネージャー)
  • 所属等:一般社団法人産業サポート白河 相談員
  • 支援可能な地域:県南地域
  • 実績等:県南地域唯一の産業支援機関として活躍する産業サポート白河。その中でも、若さと行動力がもたらすスピード感ある起業者への伴走支援が得意です。県内大手金融機関に在席しながら現在の職場に出向中で、金融機関の経験を基に、理にかなった起業支援に取り組んでいます。自他ともに認める「歩く白河ラーメン辞典」。お店選びに迷ったらぜひお声掛けください。
  • 参考:一般社団法人産業サポート白河 http://sangyo-support.jp/
着物リメイクMANA
  • 営業日時:10:00~18:00 日曜・祝日定休ですが、お問い合わせください。
  • 住所:福島県白河市本町2 マイタウン白河1階
  • TEL:090-2995-7563
  • MAIL:keikosuehiro1017@gmail.com
  • Facebook:https://www.facebook.com/kimono.remake.mana/

起業に興味のある方はこちらの情報もチェック!