(1) まずは起業の成功例を探そう

福島駅西口インキュベートルーム 統括マネージャー 新城榮一

成功例が多数あって信頼できる相談先へ

 福島駅西口インキュベートルームで統括マネージャーを務めている新城榮一と申します。起業アドバーザーコラムの初回として、私から起業の成功例について紹介してみたいと思います。
 起業について相談される方の中には、成功例の情報を求める方も少なくありません。そういった方はまず、私たちインキュベーションマネージャーのいる福島県内のインキュベート施設においでいただければと思います。魚を釣ろうと思ったときには、海や川など魚がたくさんいる場所に行くはずです。まずは成功例がたくさんある施設に行き、聞いてみることが大切。インキュベート施設にはこれまでの成功例が数多く蓄積されているので、ぜひご相談いただければと思います。
 ネット情報のみに頼る方や根拠のないことを鵜呑みにしてしまう方も見受けられますが、よく分からないところに相談してしまうのは危険ではないでしょうか。相談先には信頼できるところを選ぶべきでしょう。

利益が出て食べていけることが大切

 さて成功例と失敗例を分ける、重要なポイントと言えばどこでしょうか。それは最低限の利益が出せて、なおかつ食べていけることでしょう。そもそもそのような事業でなければ、続けていくことができません。個人的には「利益が出ている」ことと「食べていける」ことが押さえられていれば、それだけで立派な成功事例だと言えるのではないかと思います。「その上を目指すにはどうすればいいのか?」と考えたくもなるでしょうが、それは利益を出した後で検討すべきこと。そうなるまでは事業を継続させるべく、目の前の仕事へひたむきに取り組んでください。
 取り組んでいる事業を成功へと導くには、どうしたらいいのでしょうか。個人的には最低限「ひねくれていないこと」「一定の能力があること」の2点が必要かと思います。1人よがりにならず、周囲のアドバイスを聞き入れてその内容を理解できることが重要。そこが押さえられていれば、私たち支援者と一緒に高みを目指すことも可能でしょう。結果的に食べていけるようになれるではないかと思います。

1人1人に合わせたアドバイス

 起業についてアイデア、ターゲット、専門性などを気にする方もいらっしゃいますが、何か一点押さえられていれば成功するというものでもありません。起業とは起業者、分野、タイミングなどさまざまな要素で状況が変わるため、あらゆる面で柔軟に対応していくことが欠かせないのです。
たとえばあなたの年齢、性別、資金、使える時間、起業したい分野や業種などは、ほかの起業者と同じものでしょうか。起業する状況は1人1人細かく異なるはず。私たちはそういった違いに合わせ、1対1でそれぞれに合わせた起業アドバイスを行っています。
 その際に参照するのは数多くの成功例だけでなく、それ以上に蓄積してある失敗例。それだけのデータがあるからこそ、あなた1人に合わせたアドバイスを追求できるのです。
 まずはネット情報のみに頼らず、近隣のインキュベート施設を訪ねてみてはいかがでしょうか。みなさんのお越しをお待ちしています。

 

起業アドバイザーのプロフィール

  • 氏名:新城榮一(シンジョウエイイチ)
    (JBIA認定シニアインキュベーションマネージャー)
  • 所属等:福島駅西口インキュベートルーム 統括マネージャー
  • 支援可能な地域:県内全域
  • 実績等:自身が多くの起業体験・企業経営を行っており、だからこそできる“知見深く論理的で活きたアドバイス”が支援している企業の事業継続と成長を促してきた。これまでに東北大学大学院経済学研究科特任准教授、福島県立医科大学復興推進課経営アドバイザーなどを務め、現在は(一社)日本ビジネス・インキュベート協会(JBIA)理事・事務局長に就任している。創業・ベンチャー国民フォーラムJapan Venture Awards 2008起業支援家部門奨励賞受賞。第1回スタートアップ・アドバイザー・アワード審査委員特別賞受賞。
  • 参考:福島駅西口インキュベートルーム https://incu.jp/
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